前頭葉てんかんと入浴について

てんかんはその種類が多く、細かく分類されていて、それぞれの分類ごとに治療法が異なりますから、分類、病型の診断が正しければ治療効果は飛躍的に上がりますが、逆に、病型診断が不適切だと、なかなか治療が進みません。ところで、成人のてんかんでは「症候性部分てんかん」と呼ばれるものが最も多く、さらには発作の原発がどこにあるかによって、それぞれ側頭葉、前頭葉、後頭葉てんかんなどに分類されます。

前頭葉てんかんは、成人では最も多く前頭葉の領域が大変広いため、発作症状も発作点の部位によってかなり違いがあります。例えば、左の運動領野に近いところから発生した場合は、目や顔が右側へねじれるといった症状や、いわゆる「フェンシング・スタイル」の出現といった発作が起こります。また、前頭葉内側面や下面から発生した発作は、とりわけ特徴的で、数秒から数十秒という短時間の意識消失と突然、走り出したり、めちゃくちゃな激しい動きをしたりしますが、突然その発作が終わるというものです。この前頭葉の内側面や下面に発作点があると、MRI などの脳波検査では異常波が出にくので「偽発作」と疑われることがありますので注意が必要です。 

ちなみに、運動によって発作が増えることはありませんし、スポーツに熱中しているときは、むしろ発作は出にくいのです。しかし、水泳中に発作がおきたら溺れる危険がありますので、プールでは万一の場合に備え、すぐに助けられるよう家族や同行者の見守りが必要です。海での遊泳は避けたほうが良いでしょう。また、入浴による体温上昇が原因で発作が起こる入浴てんかんは極めてまれですし、洗髪などの刺激が発作の誘因になることもめったにありませんが、入浴に限らず、リラックスしたときに発作が起こりやすい場合が多いので入浴は家族と一緒に入るとか、傍について声をかけるといった配慮が必要です。特に、過去に入浴中の発作があった人は、要注意です。

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