日本人は南向きの家を好む傾向があります。その真逆に位置する、北向きの家は風水も悪いのではと思われがちですが、実は北向きの家は、風水的には水の気があり、落ち着きやすいとされています。決して風水が悪いということはないのです。ですが、北向きの家というと、どうしても日当たりが悪い、湿気が溜まりやすい、なんだか暗いと感じる方も多いことでしょう。
実際に日当たりが悪い家が多いのも事実ですが、周りに高い建物がなければ、条件によっては南向きの家よりもちゃんと陽の入る場所もあるため、一概に北向きだから悪いとは言えないのです。また、北向きの家は建築物の高さの制限が比較的に緩やかと言われています。これはどのようなことかと言うと、「北側斜線制限」というものがあり、北側の隣の採光を確保するために、制限が設けられているのです。そして北を向いている家はこの北側斜線制限を受ける面と、道路斜線制限を受ける面がともに北側であるため、比較的ほかの方角よりも斜線制限の影響を受けにくいのです。
また、北向きの日当たりが悪いという場合には、それを逆手にとって家が涼しくなりやすいということが言えます。そのため夏場は冷房温度をそれほど下げなくても快適に過ごせるため省エネになるというメリットも考えられます。だから暑い地域では、わざと北向きを狙って家を建てることもあるのです。ですから何も北向きの家が全て住みにくいという訳ではないのです。